Monday, September 01, 2008

宮崎駿出席威尼斯影展「波妞」、長孫誕生 雙喜臨門!

宮崎駿『ポニョ』ヴェネチア出品&初孫誕生Wの喜び 記者会見は立ち見も出るほどの盛況ぶり
9月1日0時18分配信 VARIETY


 宮崎駿監督が、3年ぶりのヴェネチアでその存在感を世界各国のプレスに見せつけた! 31日(日)、第65回ヴェネチア国際映画祭コンペ部門に選出された『崖の上のポニョ』で、鈴木敏夫プロデューサーとともに会見。立ち見が出るほどの盛況ぶりで、「世界のミヤザキ」への注目度をあらためて証明した形だ。

 宮崎監督が姿を見せると、会見では珍しく立ち上がって拍手をする記者の姿も。「映画祭はあまり好きではない。これが1番、これが2番と順番はつけられないのです」と、ヴェネチアも栄誉金獅子賞を受賞した2005年以来。今回は会場となるリド島の美しさと、「(音楽の)久石譲に似ているよね(笑)」という映画祭ディレクターのマルコ・ミューラーの存在が大きかったと、ちゃめっけたっぷりに説明した。

 それでも、海外プレスからの矢継ぎ早の質問には余裕の受け答え。静かに、そして堂々とした語り口で、時には「これで答えになっていますか?」と気遣う余裕も見せた。

 そして、日本公開後の8月11日に長男で『ゲド戦記』の監督も務めた宮崎吾朗に長男が生まれ、初孫を授かったことを告白するサービスぶり。“後付け”になったが、発想のインスピレーションが「生まれたての子どもが初めて見るような映画をという、はっきりとした動機づけがありました」と明かした。

 さらに、「私たちの島(日本)は、ヘビが青年になって美しい娘と出会ったり、鶴が美しい女性になって現れるといった話をいっぱい持っているのです。今回の作品も島国に古くから伝わる考え方が基になっています」と“島国・日本”だからこそ生まれた作品であることを強調。そして、劇中に津波の描写があることを問われても、「災害として考えていません。波は戻ってきて、また返っていく。何1000万年も同じことを続けてきた。それを人間の側から否定するのは間違いです」ときっぱりと答えた。

 最近のアニメーション事情にまで言及し、「コンピュータは脳細胞までプログラミングすることはできないと思います。アニメーションは自由であるべき。コンピュータを使っても自由を失わない人がいれば、使えばいい。僕らは、ずっと鉛筆を握っていこうという覚悟を決めたのです」と、揺るぎない信念を掲げた。

 だが、主流となっている3-DCGなどを否定はしない。ハリウッドで人気のアニメーション・スタジオにも敬意を表する。「ライバルではなく友人。ピクサーのジョン・ラセターにしても、アードマンのニック・パークにしても、大変な思いをして製作しているのが分かる。励ましをおくり続け、おくられ続ける関係」

 ただ次回作については、「私はもう67歳ですから、次の作品ができるころには70歳を超えることになります。自分の意思ではなく、別の人が決めることだと思います」と話すにとどめた。

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