邦画復権も…観客動員、興収とも2年連続減少
1月29日20時5分配信 VARIETY
日本映画製作者連盟(映連、会長・大谷信義)が29日(木)、2008年の全国映画概況を発表した。全国の映画入場人員は1億6049万1000人、興行収入(興収)は1948億3600万円。前年比でそれぞれ98.3%、98.2%と、2年連続の微減となった。
健闘を誓い合う映画各社の首脳陣
興収の内訳は、邦画が1158億5900万円(前年比122.4%)、洋画が789億7700万円(同76.1%)で、構成比は59.5%対40.5%。2年ぶりに邦画が洋画を上回り、00年に配給収入から興収発表になって以降、邦画は最高、洋画は最低と“邦高洋低”ぶりが顕著となった。
2008年最大のヒットとなった『崖の上のポニョ』の1シーン(C)2008二馬力・GNDHDDT 邦画で興収10億円を超えたのは前年比マイナス1の28本で、うち21本が東宝配給という相変わらずの“独占市場”。ベスト10に限れば、1位の『崖の上のポニョ』(155億円)をはじめ2位『花より男子ファイナル』(77億5000万円)、3位『容疑者Xの献身』(49億2000万円)など8本を占め、総興収でも700億5943万円と同社の最高記録(07年の595億1000万円)を大幅に更新した。今年も『ROOKIES』『ゼロの焦点』などの話題作がそろい、高井英幸社長は「08年とそん色のないラインナップになった。取りこぼしなくヒットさせ、全体の興収増に貢献したい」と意気軒高だ。
対する松竹は、ワーナーと共同配給の『GOEMON』、崔洋一監督の『カムイ外伝』などの大作群、東映は『劔岳 点の記』を中心に据えたラインナップで巻き返しを期す。減少が続いている観客動員対策については、「映画館へ行こう!」実行委員会の委員長を務める東映・岡田裕介が「『夫婦50割引』が好調で、50歳以上の動員はアップしている。半面、『高校生友情プライス』は効果があまりなく今年6月30日をもって終了する。時代がデジタルに移行する中で、映画以外のコンテンツをいろいろとやれる環境を整え、さまざまなニーズに対応していく必要があるのでは」と展望を述べた。
一方、洋画の興収上位3本は『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』(57億1000万円)、『レッドクリフ Part I』(50億5000万円、公開中)、『アイ・アム・レジェンド』(43億1000万円、公開は07年12月)。10億円以上の作品は、24本と前年から2本増えたが、興収では約200億円のマイナスで、夏休みなどの繁忙期を中心に期待されたハリウッド大作の不振が響いた形だ。
全国の映画館数は3359スクリーンで、前年比138スクリーンの増加。1館当たりのアベレージは下がっており、昨年5月に就任した大谷会長は「洋画の奮起を期待したいが、邦画と洋画がバランス良く、お客さんが喜ぶ作品を提供すれば映画館に足を運んでもらえる。そのために各社が勉強、分析し合っていかなければならない」と話した。
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